みなさんは家の基礎をふと見てみると、ひび割れがあったということはないでしょうか?家の土台として約40トンもの家を支えている基礎にひび割れが発生している場合は、一体なにが原因になるのでしょうか。
今回は、基礎のひび割れが起きる原因と、その補修方法について詳しく紹介していくので参考にしてみてください。
基礎のひび割れとは?許容範囲はどのくらい?
基礎のひび割れには、いくつか種類があります。よく言われるのが「ヘアークラック」と「構造クラック」の2つです。それでは、このクラックについて詳しく紹介していきますね。
基礎ひび割れ・ヘアークラック
ヘアークラックは幅0.3mm未満、深さ4mm未満のクラックのことで、うっすらとひび割れが見える状態です。施工当初の乾燥収縮で起きる場合と、基礎が徐々に劣化してひび割れが起きてくる場合とがあります。地震によって起きる場合もありますが、総じて基礎の強度に特別影響があるわけではないため、安全面では許容範囲内と言えるでしょう。しかし、基礎の全体にあまりにも多くヘアークラックが発生している場合は別です。また、鉄筋コンクリートの場合は雨水が浸透することにより爆裂現象の危険性がありますので、クラックを埋める補修をしても良いかもしれません。
基礎ひび割れ・構造クラック
構造クラックとは、幅0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れのことです。表面だけでなく、内部の鉄筋までひび割れが届いているケースが多く、この場合は基礎に補強が必要です。放置しておくと経年劣化や地震などでさらにひび割れが広がり、最悪の場合は地盤沈下や外壁に亀裂が発生してしまいます。許容範囲かどうかはプロの目線で確認が必要になります。
ひび割れの幅は「クラックスケール」というもので測ることができます。
クラックスケールはホームセンターやアマゾンなどで購入することができ、今の基礎の幅が数値的にみてとれるものとなりますので、一度ご自身で見てみても良いと思います。
基礎ひび割れ・同箇所に複数のひび割れ
同じ場所に複数のひび割れが生じている場合、原因は基礎構造や初期の打設不良にある可能性があります。私どもが点検した際に新築のお家でもかなり多数のひび割れを見ることがあり、症例数としても意外と多いです。下にも原因として書いていますが、初期打設時の養生不足での乾燥収縮や、コンクリート撹拌の水分量が多いことに起因することが多いです。
基礎ひび割れ・水平方向、横のひび割れ
横にひび割れが生じている場合、基礎が深刻な劣化をしていることが多いです。上から下へ縦方向のひび割れであれば経年劣化により基礎が弱くなっているといえるのですが、横方向にひび割れが設計や施工に問題があるか、家の周辺環境(湿気が多い、山・川が近いなど)によって起きる場合もあります。。
基礎ひび割れの原因について
基礎がひび割れする原因はいくつかあります。どのようなことが原因なのか、詳しい内容を紹介していくので参考にしてみてください。
・基礎ひび割れの原因・乾燥収縮
原因の一つが基礎の初期打設時での「乾燥収縮」です。ひび割れの原因としては一番多く、乾燥が原因でコンクリート内部の水分が蒸発し、収縮することでひび割れが発生します。
・基礎ひび割れの原因・気温変化
温度が急激に下降することで、コンクリートは縮む性質を持っており、その際に発生した力によってひび割れが生じることがあります。夏場など気温変化が激しい時期に起きる症状です。
・基礎ひび割れの原因・不同沈下
地盤が弱いところに家を建てる場合に起きます。地盤が少しずつ傾くことにより、建物も同じように傾き、ひび割れが発生します。外壁のひび割れや屋根の雨漏りにも繋がるケースもあります。建物のすぐそばに雨水浸透桝を設置する家も多く、雨水が庭の一部に集中して浸透することで陥没が起き、建物が傾いてしまうこともあります。
・基礎ひび割れの原因・地震
経年劣化によって、基礎が弱っている場合、地震によってひび割れが生じるケースがあります。大地震の後に、基礎のひび割れが起きていないか確認をおすすめします。
・基礎ひび割れの原因・施工不良
意外と多いのが、施工不良です。床下の見えにくい場所のため、気付くことは少ないですが、コンクリートの厚さ不足や、施工当初のコンクリート撹拌不足でジャンカ(豆板)での強度不足があります。
・基礎ひび割れの原因・コンクリートの中性化
基礎に埋め込まれた鉄筋は、アルカリ性のコンクリートでくるまれているため、さびることはありません。コンクリートに含まれる多量のカルシウム化合物が、鉄筋を保護してさびを防いでいます。
しかし、時間の経過とともに、雨や大気中に含まれる二酸化炭素がコンクリートのカルシウム化合物と反応して中性化を起こし、コンクリートの強度を低下させることがあります。保護が失われた鉄筋のさびが進み膨張すると、コンクリートにひび割れが起こるのです。
基礎ひび割れの補修方法は?
基礎のひび割れが劣化によって発生している場合、どのような補強方法があるのでしょうか。劣化症状に効果的な補強方法を紹介していきます。
Uカットシール工法
専用の電動工具にU型の溝入れカッターを使ってカットし、溝にシーリング材などを充填してからモルタルなどを塗布する方法があります。
ビックス工法
ひび割れ表面に設置したパイプに、ゴム製の注入器を設置し、ゴムの圧力で長時間を掛けてエポキシ樹脂を注入していく方法が「ビックス工法」です。微細なひび割れにも対応しています。
ハイブリット工法
エポキシ樹脂とアラミド繊維を用いており、国の公共工事や宇宙船などでも採用される非常に強度が上がる施工方法です。アラミド繊維は鋼材の約7倍の引っ張り強度があり、横の引っ張りに強く、高密度のエポキシ樹脂は構造用接着剤として高い性能を発揮し、地震からの強度アップに大変有効な補強です。
さいごに・基礎ひび割れ補修はプロにお任せください
基礎のひび割れの原因はそれぞれのお家で原因が異なってきます。それは基礎打設時の状況や、お家の周辺環境、そして、その後のメンテナンスが異なるからです。
基礎のひび割れの補修について、まずは原因を見極めてから適切な対処ができるプロの業者に任せるのがいいでしょう。
当社アストロホームは基礎補強専門の会社となりますので、安心してお任せいただければと思います。