基礎補強の金額はどれくらい?建物を支える基礎を補強して耐震化を図ろう!
基礎の劣化や鉄筋の入っていない基礎の場合、大規模地震が発生した時に建物が倒壊する危険性があります。
また、基礎と土台、柱との接合が弱くほぞ抜けによる倒壊の可能性もあります。
建物の倒壊を避けるために、地震対策として基礎補強などをおこなって大きな地震に耐えることができる建物にしなければなりません。
基礎補強するにも、工事費用がどれぐらいか、と疑問に思われるのではないでしょうか?
今回は、基礎補強を検討されている方のご参考になるために、基礎補強費用の相場についてご紹介していきます。
基礎補強の施工方法
基礎の補強には、基礎のひび割れを補修する簡易的なものから、基礎の増し打ちなど大規模になる補強があります。
基礎の補強方法や補強する範囲によって費用や、かかる日数も違います。
では、基礎補強方法の種類についてひとつずつご紹介していきます。
劣化対策に基礎のひび割れ補修
基礎のひび割れは、基礎の中にある鉄筋の錆や基礎のコンクリートの劣化を早める原因となります。
また、基礎のひび割れによってシロアリの侵入経路を作ってしまうことになるので、補修をおすすめします。
基礎のひび割れ補修は、エポキシ系樹脂をひび割れのところに注入して隙間を埋めます。
隙間を埋めることで、劣化やシロアリへの対策になりますが、あくまでも補修になるので、地震に強い基礎になるわけではありません。
炭素繊維シートで基礎補強、低コスト短工期で耐震性を上げる方法
炭素繊維シートは、基礎の上に貼りつけることで基礎の強度を上げる補強方法です。
炭素繊維シートを貼ることで、ひび割れのある基礎や鉄筋が入っていない布基礎の強度を向上させ、耐震診断の評価を上げることができます。
基礎の増し打ちなど鉄筋の配筋やコンクリートを打つ必要がありませんので、重機を使用せず工事費用(金額)を安価にすることができ、工期の短縮もすることができます。
耐震改修に用いられる基礎の増し打ち補強
基礎の増し打ちは、耐震改修によく用いられる補強方法です。
基礎の増し打ちは、元々の基礎の隣に抱かせるようにして一体化し、新しく鉄筋を配筋しコンクリートを打って基礎を作る補強になります。
基礎の増し打ちは、土台や柱にかかる引抜きの力が強く基礎が耐えられない場合に補強します。
引抜きの力に耐えられる箇所だけ基礎を増し打ちするので、部分的な工事になります。
基礎のひび割れ補修や炭素繊維シートを貼る補強に比べて、コストがかかる基礎補強方法です。
全面リフォームに適した布基礎からベタ基礎の基礎補強
元々布基礎だったのをベタ基礎にして補強ができます。
工事規模が大きくなりますが、布基礎による湿気や建物の重さが点荷重となるのを面荷重にすることができます。
点荷重から面荷重になると、建物にかかる重みが分散され地震に強い基礎になります。
布基礎からベタ基礎にする場合は、1階の床をすべて解体し基礎が露出する状態になるため、基礎の補強費用と床などの復旧費用がかかるので工事料金が高くなります。
基礎補強の方法別に解説!費用(金額)の相場
上記で基礎補強の種類についてご紹介しました。
このように基礎補強は、いろいろやり方があり負担する工事費用も違ってきます。
ここでは、上記で挙げた基礎補強の料金相場についてご紹介していきます。
基礎補修・基礎のひび割れ補修の費用相場(金額)
基礎のひび割れ補修は、基礎のひび割れ部分に専用の電動工具を使用しU字型にカットし
エポキシ樹脂を注入してひび割れを埋めていきます。
補修する箇所の量や状態によって費用が変わってきますが、ひび割れ1箇所あたり約1~2万円が相場となっています。
この補強方法は、基礎の強度を上げるわけではないので、強度を上げたい場合は他に炭素繊維シートを貼るか基礎の増し打ちなどの補強方法が必要です。
工期は短く補修する箇所が少なければ約1日で終わる作業です。
住宅全体の基礎を補修する場合の工期は約2~3日、工事費用は約10万円が相場となっています。
基礎補強・アラミド繊維シート補強の費用相場(金額)
アラミド繊維シートを貼る補強方法は、多層構造となっているため工程が多くなり多少工期が必要になります。
しかし、基礎の増し打ちや布基礎からベタ基礎にする工期に比べると短く、工事もそこまで大がかりになりません。
工程は、プライマーの塗布やパテ埋め、エポキシ樹脂の下塗りと上塗り、アラミド繊維シート貼りなどの作業で進行していきます。
住宅の基礎全体に作業が行われていきますので、工期が約1〜2日かかります。
工事費用は、基礎の状態で違いますが、約25,000円~35,000円/mとなります。
アストロホームでは施工した場合の金額は1mあたり20,000円で、人員や、コストをできる限り減らしお客様の負担をできる限り減らしたいという想いでご提供をしております。
合計金額は、施工するメートル数をかけたものとなりますが、全体を施工した場合、20坪のお家では大体30~40m前後の施工となるでしょう。
基礎補強・基礎の増し打ちの費用相場(金額)
基礎の増し打ちは、住宅の内部から基礎を補強する場合、床や壁の解体と復旧が必要になってきます。
また、耐震改修での筋交いの設置や接合金物の取り付けも必要になる可能性がありますので、その分の費用も考えておかなければなりません。
基礎の増し打ち費用は、補強する長さによって変わりますが、約6~8万円/mが相場となっています。
耐震補強する筋交いや壁の幅は、一般的に910mm~1,820mmの範囲が多いです。
910mm幅の基礎補強が5箇所ある場合は、工事費用が約30~40万円となり、追加で解体費用と筋交いや金物の取り付け費用、壁と天井、床の復旧費用がかかります。
基礎の増し打ちは鉄筋の配筋と型枠の設置、コンクリートの打設があり、工期が補強1箇所あたり約2~3日は必要になってきます。
建物全体の基礎を補強する場合は、約1ヶ月はかかってきます。
基礎補強・布基礎からベタ基礎の費用相場(金額)
布基礎からベタ基礎にする場合は、1階の床や壁をすべて解体し基礎が露出していなければなりません。
そのため、解体費用と復旧費用がかかり、工事費用が高くなります。
基礎補強の工程も多くて、土の掘削や砕石敷き詰め・転圧、防湿フィルム敷き込み、鉄筋の配筋、型枠の設置、コンクリートの打設などがあります。
ベタ基礎にした場合の補強費用は基礎補強をする面積によって違いますが、金額は他と比べてかなり高くなります。
解体や基礎下にある配管の移設などもあるので、基礎工事の工期だけでもある程度は必要になります。
また、復旧などもあるので、布基礎からベタ基礎に補強する場合は、全面的にリフォームをする方に適した補強方法です。
基礎補強だけでなく、耐震診断をおこなって建物全体の強度が必要
ここまで基礎補強費用の相場についてご紹介してきました。
基礎は建物の耐震性に関わる重要な構造体です。
基礎が弱いと土台と柱の接合が耐えられずほぞ抜けが起きたり、建物が基礎から落ちてしまう可能性があります。
建物の耐震性を確保するには、基礎の補強だけでなく建物全体の強度を上げる必要があるため、一概に基礎が強くなればいいというわけではありません。
建物全体の強度を上げるために、専門の業者に依頼して耐震診断をおこない基礎の補強など建物全体の耐震計画を立てることが重要です。