基礎補強工事って何だろう?どういったことをするのだろう。と、あまり聞きなれないのでご存じない方が多いかと思います。家に来たリフォーム業者から基礎のひび割れを指摘され、どうしたらいいのかわからない方も中にはいらっしゃると思います。
この記事ではそんな方に向けて基礎補強工事とはそもそも何か、また、費用はいくらか、新築のお家での症例を紹介していますので、今後のお家のメンテナンスでも生かせるよう参考にしていただければと思います。
基礎補強工事とは?どういう意味?
基礎補強工事とは家の基礎コンクリートに、強度向上を狙ってする補強工事のことです。
よく聞く基礎のクラック補修や、擁壁のクラック補修はその隙間を埋めることで内部への水の侵入を防ぐことにより鉄筋が錆びないようにしたり、床下に水が浸入しないようしたりする補修工事です。しかし、コンクリートの強度が上がるわけではありません。
基礎補強工事は「基礎そのものの強度を上げること」を目的としているため、基礎補修とはその目的の根幹が異なります。基礎コンクリートの重要性や、どうやって工事をするのかなど知られていないことが多く、誤った知識を持っている会社も多いのが事実です。
基礎補強工事の種類について
以下に代表的な基礎補強の種類を記載しました。それぞれ、同じ「基礎補強工事」ということを言っているのですが、工法がそれぞれ異なってきます。もし基礎補強工事を検討しているのであればどの工法がいいのか考えながらご覧いただくと良いと思います。
1.基礎を交換して全て新しくする方法
1981年以前に建てられた住宅には基礎に鉄筋が入っていないことが多いです。経年劣化や地盤沈下、地震などでひび割れがある場合に、今ある基礎を交換して全て新しくすることがあります。その時のは家全体をジャッキアップして、基礎を交換する工事をしていきます。
この場合少なくとも200万円以上の費用が掛かってきますのでかなり大掛かりな工事となります。
2.基礎にコンクリートを増し打ちする方法
現在ある基礎コンクリートの前後にコンクリートを増し打ちする方法です。例えば、家の右側だけ強度が弱くなってるので、部分的に補強したいといった場合に使用されます。費用としては5万円/1m前後の金額がかかるため、家全体を行う場合には200万円以上掛かります。また、この方法では補強効果が継続しない可能性があります。
基礎を増し打ちして追加した部分には鉄筋が入り、強度が上がります。しかし、元々あるコンクリートは変わらないため、地震や劣化でひび割れが広がった場合にこの工法での効果が少しずつ薄くなってくる可能性があり、注意が必要です。
3.基礎のクラック補修をする方法(基礎補修工事)
基礎のひび割れを起こした部分に対して、エポキシ樹脂という接着剤のようなもので穴埋めし補修をする方法です。費用としては部分的に補修をするため1mあたり1~2万円前後と安価ですが、基礎の強度を上げる方法ではなく、あくまでも補修となりますので、ご注意ください。 主に、基礎のひび割れから基礎内部へ雨水の侵入を防ぐためのものです。
4.アラミド繊維とエポキシ樹脂で補強(ハイブリット工法)する方法
アラミド繊維とエポキシ樹脂で補強する方法をハイブリット工法といいます。地震など横の引っ張りに強くするアラミド繊維と、それを基礎コンクリートへ貼り付け接着剤の役割をするのと、さらに基礎そのものの強度を上げることのできる高密度のエポキシ樹脂を用いることにより縦方向や横方向どちらからの引っ張りでも強度アップにつながります。さらに、エポキシ樹脂には防水機能もあるため、基礎外部から雨水の侵入を防ぐ効果もあります。
この工法はトンネルのコンクリート剥離・滑落を防いだり、橋脚の補強でも用いられたりする方法で、土木の現場ではコンクリート強度を上げるための技術として、活躍しています。
費用は1mあたり2~3万円ですが、当社では2万円にて施工を行っております。家全体を補強した場合でも60万円前後で基礎補強ができますので、経済的効率が一番良い工法ともいえるでしょう。
どんな家に基礎補強工事が必要か
1981年以前に建てられた木造住宅
1981年以前にお家を建てている場合は、基礎コンクリートに鉄筋が入っていない可能性が高いです。1981年というのは、耐震基準が変更された年で、この年以前の耐震基準はかなり低く「震度5」の地震に対して建物が倒壊しないようなものになっていました。
大型の地震は震度6以上が急に来たりしますので、今まで問題なかったからといって、安心するのは危険かもしれません。
不同沈下や基礎にひび割れや劣化がみられる
建物に不同沈下が起き、少しずつ斜めに傾くことで基礎や外壁にひび割れが生じたり、経年劣化や地震でのひび割れよって基礎の状態が少しずつ悪くなってきます。
放置していると、壁や屋根などに隙間ができ、雨漏れの原因となってしまいますので、2時z被害に気をつけなくてはなりません。
家を建てたときの打設不良がある
家を建てた時に施工をした業者に手抜きや、様々な条件が運悪く重なってしまい、基礎にひび割れが無数に発生したり、ジャンカ(豆板)が家全体に起きていることも少なからずあります。
当社で施工するお家でもそのような症状が実は多いのです。基礎を新しく打設した時の工事品質や天気、土壌成分、養生の方法なども基礎の状態を左右する要因となります。
基礎補強工事・新築で実際に起こった症例について
つい先日新築のお家で基礎補強工事をした時の話です。引き渡し間近のお客様からご連絡をいただき、基礎にひび割れがかなり入っていて心配だから見てほしいとのことでした。
実際、新築のお家といえど、コンクリートはひび割れをするものですのですが、どの位のひび割れか確認しに行ったのですが、結構な数のひび割れがありました。
場所はスラブと呼ばれる基礎の床の部分です。上の写真がその時のものなのですが、スラブのいたるところでこのような状態になっていました。
そこで、基礎打設業者とも話をし、状況を確認すると、基礎コンクリート打設時の乾燥収縮なのではという結論に。 明らかにひどいというレベルのものでしたので、引き渡しまでに基礎補強工事をさせていただき、お客様にも喜んでいただけました。
【関連記事】
基礎にひび割れ!?新築住宅でも起こる原因と対応について
基礎補強工事・費用について
今まで、基礎補強工事の種類や概算の金額、どんなお家に工事が必要なのかについて説明してきましたが、基礎の状態によって施工しなければならない箇所はそれぞれ異なります。
基礎全て補強するに越したことはないのですが、当然費用も掛かりますし、不必要なところまで工事をする場合もあります。
私達アストロホームでは本当に必要な個所のみを見極めた上で、最適な工事をご提案させていただきます。
基礎の交換や、増し打ちなどは非常にコストも負担もお客様にとって大きいと思います。ハイブリット工法であれば、効果も担保できますし、コストもそこまでかからないという利点があります。当社では2万円/1mで施工しており、お見積りやご相談の費用はかかりませんので、お気軽にご連絡いただければと思います。